シリコンウェーハの製造プロセスには、大別して結晶育成プロセスとウェーハ加工プロセスがあります。
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多結晶シリコン(ナゲット)
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単結晶引き上げ(CZ法)
CZ法では、引き上げ装置内に黒ヒーター黒鉛ルツボ、石英ルツボ、多結晶シリコンをセットし、不活性雰囲気の減圧下で加熱溶融し、種結晶を付けて徐々に引き上げることで単結晶を育成します。
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単結晶シリコンインゴット
育成の完了した単結晶シリコンインゴットは、この様な形状をしています。ファイ200mmウェーハ用の結晶の場合、インゴット一本の重量は60~100kgにもなります。
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外周研削加工
規定の長さに切断し、規定の直径に外周を研削します。外周の一部に結晶方位を示す平面(オリエンテーションフラット:オリフラ)か、溝(ノッチ)を付与します。
外周加工を完了したインゴットは左図の様な形状になります。(この図はノッチ付きの場合です)。
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スライス加工
ワイヤーソー方式もしくは内周刃方式でインゴットを切断し、ウェーハ形状にします。
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ベベル加工(外周面取り)
ダイアモンド砥石にてウェーハ外周を製品直径に研削し、端面を円弧状に研削・面取りします。
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ラップ加工(両面機械研磨)
回転する上下のラップ盤の間で、ウェーハをセットしたキャリアが回転し、砥粒を供給して両面を研磨します。
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エッチング(両面化学研磨)
酸を混合したエッチング液中でウェーハをセットした治具を回転させながらエッチングし、前行程の機械加工による破壊層を完全に除去します。
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ドナー消去熱処理
拡散炉による熱処理を行い、結晶育成中に生成した酸素起因の不安定なドナー(n型不純物)を分解して、本来の抵抗率に戻します。
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ポリッシング(片面鏡面研磨)
研磨布を貼ってある回転する定盤に、ウェーハを接着したプレートを押し付け、研磨材を供給しながら、機械・化学複合作用による研磨を鏡面になるまで続けます。
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洗浄
化学薬品と超純水でウェーハを洗浄し、化学的、物理的に清浄化します。
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検査
高輝度スポットライトをウェーハ表面にあてる外観検査と、装置による平坦度、比抵抗、表面に付着した極微小粒子の数などの検査を行います。
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梱包
ウェーハは、清浄な出荷用ケースに納め、さらに湿気などを通さない特殊な袋に封入します。
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出荷
ウェーハは、多少の衝撃で破損しない様に衝撃を吸収する出荷用の箱に納めて出荷されます。